エアーブラスト(サンドブラスト)とは

エアーブラスト

エアーブラスト(サンドブラスト)は、コンプレッサーで作った圧縮エアーを使ってガラスビーズなどの投射材をノズルから噴射するブラスト装置です。エアーブラスト(サンドブラスト)には重力吸引式、自吸式、直圧式があります。噴射された投射材は集じん機の吸引力により装置内部で循環し、循環過程中に異物と投射材に分離され再度噴射する仕組みとなっています。乾式処理なため、環境にやさしい工法です。

エアーブラスト(サンドブラスト)方式の種類

 

重力吸引式

重力吸引式

【概要】
投射材を集塵機のエアーの力で吸い上げ、その投射材を圧縮エアーの力によって噴き付けます。投射材は負圧によって吸われエアーの力でエアーガンから噴射されます。

【特長】
最も一般的なエアーブラスト装置です。汎用性が高く経済的です。

 

加圧式

加圧式

【概要】
噴射を行なう際、加圧タンク部およびミキシングチャンバー部で、二度にわたって圧縮空気の圧力を投射材に与えます。その結果投射速度が大幅に高まり、研掃能力ピーニング力ともに高まります。

【特長】
投射速度が早く、強力な研掃効果、ピーニング効果を発揮します。

 

ブロワ式

ブロワ式

【概要】
投射材タンクに回収されている投射材は、機械に組み込まれたブロワの圧縮エアーにより、アクセラレータに吸い込まれ、圧縮エアと混合し噴射される方式です。

【特長】
広い処理面をキメ細かく仕上るのに最適の方法です。ソフトな仕上げが可能で、コンプレッサーが不要です。

エアーブラスト
一般には圧縮エアーを用いて噴射材を吹き付ける装置をエアーブラストと称していますが、ブロアー式エアーブラストもあります。比較的比重の軽い噴射材用として用途が多い。エアーブラストは「重力式」、「加圧式」、「吸引式」、「ブロワ式」の4つに大別されます。
重力式
圧縮エアーを使用しガン本体内部にて噴射材を吸引しノズルより噴射材を噴射します。噴射材は噴射後集塵機のファンにより装置本体内のホッパーにリターンされ連続で噴射されます。噴射の際圧縮エアーとホッパーからの噴射材の流れに重力を利用する為、重力式と称されています。
加圧式(直圧式)
圧縮エアーを1度噴射材の入った加圧タンクに入れ圧力を上げ噴射する方式です。エアーブラストとしては最も噴射スピードが速く研掃力も高いです。
ノズル
噴射材を噴射する部品であり重力式、加圧式によってノズル形状も異なります。材質はセラミックですが噴射材によっては耐磨耗性のボロンノズルを使う事もあります。
ポロンノズル
標準のセラミックノズルに対してアランダム、グリット等の磨耗の激しい噴射材を使用する場合はボロン材質のノズルを使用します。
ガン(ノズル)本体
ノズル、エアジェット、投射材供給口が組合わさるノズルユニットの母材になります。
エアージェット
ガン本体に圧縮エアーを送り込むエアーノズルの事です。
ノズルホルダー
加圧式の場合、ノズル先端部にはエアージェットが不要の為、ガン本体が有りません。従ってノズルと投射材ホースの接続・固定はノズルホルダーにて行います。
ミキシングバルブ
加圧ブラストの加圧タンクより噴射材を供給するバルブ。ミキシングバルブのバルブの開度調整によってエアーと投射材の混合比・噴射量を調整します。
ミキシングノズル
加圧ブラストの加圧タンクよりミキシングバルブ゙に入るノズル。
アクセラレーター
ブロアー式スパウダーのブロアーよりのエアーと投射材を合流させる(ミキシング)ユニット
ルーツ送風機(ブロワ)
まゆ型断面のロータ2本が互いに90°ずれた位相で配置され逆方向に同期回転してロータとケーシングの間に閉じ込められた気体を圧送する容積式圧縮機の一形式です。
液体ホーニング
水と錆び止め剤の混合液に砥粒を混ぜたものを圧縮空気によりノズルから噴射させ工作物の表面に吹き付け工作物を削り取る加工法です。
エアーブラストによる内面研掃
鋳物製品の内部に付着している不純物、バリ等のコンタミを薬品使用せず除去する技術(この場合の薬品処理をコーリン処理という)。回転ノズル、ランスノズルの内径ノズルの使用により中子砂研掃・交差穴バリ取りを行います。
内径ノズル
直接噴射できないような場合(例えば穴の中)は、通常のノズルではなく、内径ノズルを使用します。内径ノズルには回転ノズル、ランスノズルが使用されます。
回転ノズル
内径ノズルの中でノズル自身が回転し360度範囲をカバーするノズルです。
ランスノズル
内径ノズルの反対側にランス形状(槍状)のノズルを取付し噴射材がランスに倣い円周方向へ噴射されるノズルです。
メガパスカル「MPa」
圧力:1平方メートルにつき1メガニュートンの力が作用する圧力
1MPa≒10kg/cm3
集塵機
ブラスト装置には粉塵を集塵する役目、不純物を分離する役目、噴射された噴射材を装置上部まで輸送する役目のため集塵機が付属している。
コンプレッサー
ブラスト装置で使用する圧縮エアを作り出す装置です。大気中の空気を圧縮するため、必要であればドライヤーをブラスト装置との間に取り付けする場合があります。使用エア量についてはエアジェットの口径、ノズル本数、使用噴射圧によって決定されます。
加圧タンク
加圧ブラストの場合の噴射材を貯めておくタンクのことです。
サイクロン
投射された噴射材は仕上中にワークを削ったり、投射による衝撃で破砕され小さくなってきます。ワークを削った不純物や、小さくなった噴射材を分離し、噴射可能なものをホッパーへ戻すために途中にサイクロンが取付されています。機構としては丸い缶体の中で噴射材を旋回させてやり比重の大きいものは缶体外側へ、比重の小さいものは缶体内側で旋回し集塵機へ吸引する機構です。
噴射材ホッパー
噴射材を貯めておくユニットであり、ノズル本数によって容量は変化します。
2次側空気
ブラスト装置の場合キャビネット内が集塵機の吸引力にて常に負圧状態になります。そのためキャビネットに空気の取り入れ口を設けてスムーズな空気の流れを作る必要があり集塵機の能力、キャビネットサイズ、ノズル本数によりキャビネット上部に2次側空気取入れ口が用意されています。
エアドライアー
コンプレッサーで作られた圧縮エアを水分の無い乾燥したエアとして供給するもので、機構として空気を冷蔵庫のように冷やし水蒸気を結露させて排出し、乾燥したエアだけを作り出す装置です。
レシーバタンク
ブラスト装置がコンプレッサーの能力以上のエアを瞬間的に必要とする場合に不足する圧縮エアを一時的に蓄えておくタンクです。
エコブラスト
省エネ、高効率をテーマに開発された加圧ブラストです。小径ノズルを使用し、局部仕上げに効果が得られます。ユニット構造のためノズル本数を容易に増減できます。

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