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レーザピーニングの特別講演会を開催
レーザピーニングの特別講演会を開催
新東工業株式会社(本社:名古屋市、社長:永井 淳)は9月15日、レーザピーニングの特別講演会を新東クラブ(愛知県豊川市諏訪)で開きました。レーザピーニング業界の権威である自然科学研究機構分子科学研究所社会連携研究部門プログラムマネージャーで大阪大学産業科学研究所特任教授の博士(工学) 佐野雄二氏と埼玉工業大学工学部機械工学科教授の博士(工学) 政木清孝氏に加え、新東工業のサーフェステックカンパニー開発グループ ブラスト・レーザーテクノロジーセンターセンター長で新東LSPTレーザーピーニング取締役の博士(工学) 小林祐次がそれぞれ講演しました。会場では16人が、オンラインで9人が聴講しました。
■レーザピーニングについてはこちら:https://www.sinto.co.jp/product/surface/function_purpose/tsuyoku04/
佐野雄二氏 政木清孝氏 小林祐次
レーザピーニングは、金属にパルスレーザを照射することで表面にき裂の発生・進展を抑制する力(圧縮残留応力)を付与し、強度を高める技術です。当社は2023年4月に子会社「新東LSPTレーザーピーニング」を設立し、国内唯一となるレーザピーニングの受託加工・効果測定を開始しました。本講演会は、操業開始に伴い、レーザピーニングの可能性を体感していただく狙いで開催しました。
佐野先生はレーザピーニングの原理・効果・特徴などについて概説。小型で持ち運び可能なレーザピーニング装置についても紹介し、「パルスエネルギーは小さいが、アルミニウム合金などの疲労特性の改善効果が確認された。従来のレーザピーニング装置と相補的な活用を期待している」と述べました。
政木先生はレーザピーニング処理材の疲労特性について解説。「き裂発生」と「き裂進展」の研究データを取り上げて、疲労破壊抑制の効果について話しました。小型の持ち運び可能な装置によるレーザピーニングの効果について「表面き裂発生に対して、顕著な抑制効果がある。従来方式とは異なるき裂発生抑制因子が存在する可能性がある」と語りました。
小林は当社の投射材を使うショットピーニングとレーザピーニングの特性の違いなどについて話しました。
トークセッションで語り合う3氏(右から小林祐次、政木清孝氏、佐野雄二氏)
また3者によるトークセッションも実施。
佐野先生は「原理的にはすべてのパラメータをオンラインで制御できるのがメリット。圧縮残留応力を与える上で、最適に近いものを作り出せる」と述べ、政木先生は「狙ったところに確実に打てるという点が、ショットピーニングにない大きなメリット」と強調。小林は「レーザピーニングはプログラムさえ組めれば、ボタンを押せば済む」などとレーザピーニングの特長や今後の展望について語り合いました。
その後、新東工業一宮事業所(愛知県豊川市)内にある新東LSPTレーザーピーニングに場所を移し、レーザピーニングのデモンストレーションの見学も行いました。
見学したレーザピーニングの装置
お客様のものづくりにお役立ていただけるような情報をお伝えする場として、今後も引き続き、展示会をはじめとしたイベントを企画していく予定です。
その際は、弊社ホームページなどで随時お知らせしていきます。